ADHDって言葉は聞いたこと在るけれど、なにかしら障害のことらしい。
それくらいの認識で長年生きてきました。
それが、最近になって自分の行動で繰り返される困った傾向や生き辛さ…例えば
・すぐに物事を忘れる。(正直その時目の前にあることしか自分の中では存在していない。)
・すっきりした場所が好きなのに、ものの片付けが苦手ですぐストレスがたまる
・ひとつの物事に集中できない。
・長時間じっとすることが苦行。
といったことについて、ネットで調べるようになりました。
そうすると「私とまったく同じようなことで悩んでる人ってたくさんいるんや…」と気づき、衝撃を受けました。
どうやら私という個人が欠落で悩んでる、といだけじゃなく、そういう傾向を持つ人が世界にはたくさんいるらしい・・・!
というある種の安堵と「対策を考えていけば強みにもなるんだ」と世界が広がった感覚を持つことができたんですよね。
今日は
・ADHDとは?
・私がいままで悩んできたこと
・私なりに工夫してること
という大きく3点についてお話をしたいと思います。
「今生きづらい」とか「自分ってなんでこんな困った所ばかりなんだ…」って私と同じように悩んでいる人、身近な人が同じような特性をお持ちでそれに悩んでいる人が理解するためのヒントになれば幸いです。
ADHDとは?そもそもどういう特徴や性質の事を呼ぶの?
ADHDとは
注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害のこと。
不注意・多動性・衝動性の3つの特徴が現れる発達障害、と言われています。
こういった特徴はほとんどの場合子どもの時から表面化しているものの、認知が最近になって進んできたこともあり、大人になってからADHDだと気づいたり診断される人もいるようです。
私は正式に診断を受けていません。が、子どもの時から現在含めて色々とあてはまるのでその傾向がある、と感じています。
ADHDの3つの特徴
①不注意
集中力が続かず注意力が持続できない等のことを言います。
この傾向が強く現れると困ることは、下記の内容等が挙げられます。
ケアレスミスが多い、気が散りやすく物事に集中できない。
やりたいこと好きなことには積極的に取り組むが、集中しすぎて他のことが見えなくなる。
物をどこかに置き忘れたり、物をなくしたりする。
片付け・整理整頓が苦手。
約束や時間を守れない。
②多動性
じっとしていられなかったり、落ち着きがなく行動をコントロールできない等。
③衝動性
衝動的な感情を抑えられない等。
多動と衝動の特徴が強く現れる場合にこまる事は、下記の内容等が挙げられます。
物事の優先順位がわからない
落ち着いてじっと座ってることが苦手
衝動的発言や行動に走ったりする。
いっぱい当てはまりすぎて困る…。
もちろん上記はADHDの人だけが持っている、という訳ではありません。
誰でも当てはまる部分があります。
ただADHDの場合は、特性がとても強くて、長年にわたって続く事が多いということ。
大人になるにつれその特性への対処法や工夫を身に着け外にでないようになっている場合もありますが、上手く付き合えないと周りとトラブルが起きたり、日常生活で支障が出やすいということです。
また、ADHDのある人は、仕事や社会生活で大人としての”普通”の振る舞いを求められると、周りとのギャップやミス等に苦しんだりもします。
努力不足や怠けているなどとジャッジされたり、自分自身他の人の”普通”ができないことで自責で苦しんだりも散々してきました。
ADHDの原因
ADHDの明確な原因はまだわかっていないらしいです。
昔は子ども時の育て方が原因、という説もあったようですが、最近では「生まれつきの脳機能の偏りが引き起こすという説」というのが有力らしいです。
ADHDの特徴のある人は脳で行動等を制御している「前頭前野」という部分の働きが弱く、「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」といった神経伝達物質がうまく運べない、といった脳機能の偏りがあるという説があるそうです。
前頭前野=ワーキングメモリ、推論、注意力、判断、感情のコントロールをつかさどる部分
ここの働きが弱いために、
・意思、思考力、判断力が弱くなる
・注意力散漫
・衝動を抑えるのが苦手
・五感からの刺激を敏感に感じ取る
ということが起こるとのこと。
もともと個人が持っている脳の特性が、生まれた後や生きていく上での様々な環境的要因と影響し合い、不注意・多動性・衝動性といった特徴が生まれているようです。
私が持っているADHD特性や傾向、困りごと
ADHDがあるかどうかの診断は医療機関でしかできません。
その際には心理検査、今どんな状態でどんなことに困っているかのエピソードや子どもの頃の話等をふまえて、診断するそうです。
少し前にも書きましたが、私はADHDの診断は現時点で受けていません。
自分自身では障害というよりも「特徴」として受け止めて、生き方を工夫したり周りと折り合ったり、いかしたいと思っているからです。
ただ、この後今工夫している事をお話するためにも、今後私がこれから工夫して生きていくためにも、現時点で困っていることを整理してみたいと思います。
私がとくに困っているのは下記のポイントです。
忘れっぽくて物をなくす
なくす、というか興味が次々うつるので、今やっていることから他の事に興味が移ると、その時に使っていた物も使っていたことも、忘れてしまいます。
フォーカスする視点がいろんなところにぴょんぴょん移り変わり、視点から外れると完全に忘れてしまう。
だから、すぐに散らかるし、なかなか「直前に使ったものを元に戻す」という事が習慣化できない。
「使ったものをもとに戻す」これは今訓練している真っ最中です
あとはフォーカスしすぎると周りに在るものや時間を忘れる(というかその事へのフォーカスが0になる感じ)ので物を踏んづけて壊したりぶつかって怪我をしたり、決めた時間に遅れてしまう、ということが起こります。
なにかにフォーカスがはじまると、本当にまわりとかその前に考えていたことが見えなくなってしまうんですよね…。
子どもの時に一番困っていたのもこの「物をなくす」という部分ですね…。
昔でいう「鍵っ子」(今はなんて言うんだろう…)だったので、両親が共働きで夜まで不在の環境でした。
なので、自分で鍵を持ち歩いて管理する必要があるのに、、何度もなくしたり置き場所を忘れてパニックになり、泣きながら帰り道を何度も遡って探していたのを覚えていますw
そういった事からなのか、親から「しっかりしなさい」「抜けてる」と頻繁に言われてプレッシャーだったのはすごく覚えています。
「しっかりするって具体的にどうしたらいんだ?」と子供ながらなんでこの人達は馬鹿にしてくるのか謎で仕方ありませんでしたw
集中しづらい
例えば、会社でサポートセンターのスタッフをしていた時、入電待ちをしつつ資料作成をし、かつ他の人に話しかけられたらその対応をする、というシチュエーションが多くありました。
そういう
・電話がいつなるかわからない
・電話がなったらすぐ対応(自分のタイミングで出ることはできない)
・愛想のエネルギーがいる
人に話しかけられたら同様で、
・その時に対応する必要がある
・愛想のエネルギーを出す必要がある
という「待つ」ことや「自分のタイミングでできない」「言葉を発するだけでなく愛想もすぐに出せるようにする必要がある」というストレスに晒されつつ資料を作成する、というのがね…全然集中できないw
もしくは集中しすぎて、人の話が耳に入ってこないw
他にも、視界に入るものに敏感なので、机の上がごちゃごちゃしている状態だと気が散る。
しかし、片付けは苦手。
ものすごい自分でもめんどくさい状態なのですw
片付けや整理整頓が苦手
これはね…本当に直したいというか上手く対処していきたい特徴の一つですね。
視界が雑雑してるのがほんといやなんです。
でも、気づいたら散らかる…うぬぬ。
物事の優先順位付けや計画が苦手
旅行の時の準備がマジで苦痛です。
計画することも、後で分かるように片付けてしまう、ということも両方苦手だから、前日に勢いに任せて必要なものをつめこむ→荷物多すぎてもつの大変→探すのも大変だから結局あまり使わない
ということに陥りますw
自分で書いてて悲しいけど何度もやってるこのパターン…。
改善すべく持ち物を前日までにメモにしてチェックする、とかもやっているのですが、有効な方法を見つけたらまた書いていきたいと思います!
注意が続かず気が散りやすい、落ち着いて座っていられない
長時間の会議は苦行です。
あとは長時間の研修、座学も苦手です。
zoomでの長時間講義とか何度も受けたことありますが、途中カメラオフにして別の事考えたり興味をそらさないと無理でした笑
「落ち着いて座っていられない」に一番困ったのは、瞑想をはじめたとき。
過食症がひどくて本当に困っていた時、「瞑想を長時間毎日やってみたらいつのまにか治った!!」みたいな体験談を読んで、チャレンジしたことがあるんです。
しかし…5分ももたないw
むしろ1分ももたなかったりする。
座ってじっとするのがつらいこともそうだし、目を閉じると雑念というか、自分の中の「行動せよ」「次はこれを考えよ」「考えたことをメモしないと忘れるぞ」「すぐ行動しないと」みたいな色んな声が無数に囁いてきて、いてもたってもいられなくなるという状態になって、結局1分もせず立ち上がる、ということがほとんどでした。
そこから3年位経ち、現在は「ELM瞑想」という手法に出会えたことで、毎日30分×2回の瞑想ができるようになり色んな変化が起きています。
相変わらず雑念だらけですが笑
ELM瞑想については下記の記事で詳しくお話しています
他にも
・気に障ることがあると乱暴になってしまうことがある。
・時間の管理が苦手。
・衝動的に行動する
・やりたいと思ったことしかできない。やりたいと思ったことには過集中する。
はものすごく当てはまります。
ADHDの特徴をもつ、私がしている工夫
最後に、現時点で私が自分のもつ特徴を踏まえて工夫していることを書いてみます。
できるだけ物を増やさない
これが一番大事だと思っています。
だって、視界に入るものしか認識しないしフォーカスの対象にならないので、収納を複雑化して見えないところに置くと、それは無いに等しい存在になってしまうのです。
だったら、できる限り見える場所においたり、棚をひらいたらその存在がすぐに見える場所におけるように、なるべくシンプルにする。
「衝動的に行動する」という特徴から「これがほしい!!」と思って買って、使わないという結果になり、視界から消える場所に置く→結局全く使わないということもしょっちゅうあります。
そうするともったいないという思いからそれをとっておきたくなるのですが、「けっきょく使わないならないのと同じ」というのが現実なので、ごめんねと(学ばせてくれて)ありがとうを伝えてさよならするようにしています。
やる必要があり今どうしてもやりたくないことは無理強いしない。
これは、最近見つけた自分の特徴への対処方法です。
私は基本的に嫌いなことはやりたくない、という抵抗が強いほうだと思います。
けれど「やるべきことは早く終わらせるべき」「今やりたくないことでも根性でやるべし」みたいなルールから、自分に無理強いしてがんばってきました。
そうすると、その時は物事を終わらせることができていいんですが、後からツケがやってくることに気づいたんですよね。
次にそれをするときにどうにも全くやる気がでない、とか。
それをなんとかやり遂げた後に体調を崩したり、他のやることへの気持ちが全く向かなくなったりとか。
自分の中の純粋な子どもの部分が拗ねている、という感覚に近いと思います。
だから今はどうしても”今すぐに”しないといけない事以外は、どうしても嫌なら今はしなくてOK、という選択肢を自分に与えるようになりました。
ただし、忘れないように必ず自分が目にする場所にメモった上で!!(重要)
そうすることで、前より心のゆとりが増えたし、自分の内側と仲良くなれた感じがしています。
鍵、財布、定期券はできるだけ定位置に置く
これをすぐに忘れて迷子になるので取り組み中ですが…。
結局片付けって「物を最適の量にする」「物の定位置を決める」「そこに戻すことを習慣にする」に尽きると感じてます。
しかし私の場合物の定位置をすぐ忘れ→新しい定位置を気分で決め→それを忘れて適当な場所に置く→次に使う時見つからなくてイライラ!!困る!が頻繁に起きるんですよね。
日々取り組んでみて、また気づきがあったら書きたいと思います。
自分の部屋の地図をつくる
これも最近取り組みはじめたことです。
上記の通り、
「物の定位置をすぐ忘れ→新しい定位置を気分で決め」
てしまうことが散らかる大きな要因のひとつなので、忘れてもすぐに思い出せるように、それを明確化したものを自分に見せてあげる!という意識でやっています。
今は大きなスケッチブックに自分なりに作成しているのですが、いい書き方が見つかったら追記します。
特徴を知って工夫することが大事。だけど、いちばん大事なのは自分を受け入れること。
ここまでADHDの特徴や、私が困っていること、そしてそれに対して工夫していたり、これから工夫しようと取り組んでいることについて書きました。
ADHDに関わらず、自分の特性で困ることや日々なにかもやもやしたときって
「自分が何に困ってるのか、苦しんでるのか」
「その時、どんな事が自分の内側や外側で起きてるのか」
をまず知る。
そして、それに対してどんな事ができるのか?考えて工夫したり、コミュニケーションしていくことなのかなと思います。
とくに自分の性格や特性への困りごとは「自分の意識を変えよう!性格を変えよう!」と努力したり気合でなんとかしようとするんじゃなく、仕組みや準備、環境づくりをすることがすごく重要なんだと思います。
生きてるだけでいろいろがんばってるから自分に無理強いしないでいいんだよ
あとは、何事も「完璧にしよう」としない。
そんなの人間である以上できっこないんですが、そもそも目指さない。苦しくなるから。
「自分のできる範囲で」「自分が心地よくすごせるように」「できることをする」
これがベストだと思ってます。
あとは、できるだけ自分のそばにいる人には自分の特徴を話しておく。
これがね…努力不足だとか性格の問題だと捉えてくる人も多いので、そういう先入観を持っている人に話すのは大変なんですが(実体験済)
「一度で全部わかってもらおう」じゃなくて、少しずつ自分の体験や困っていることを開示して、相手に「私なりに頑張って、今の結果が起きてる」「でも工夫して改善するつもりがあるんだ」とわかってもらうことが大事なんじゃないかと思っています。
人から私の忘れっぷりに対して「そんな忘れるわけないでしょ」「何いってんの?」と言われた日にはね…絶望を感じましたけどね…。別の世界に生きてるんだなと。
自分にとっての普通と、人にとっての普通って全然違う。
ADHDの特性に関わらず私は私の世界を、みんなが一人ひとりの色眼鏡で自分だけの世界を生きているので、自分の世界で何がどう見えてるかなんて、わかりっこないんですよね。
だからこそ、コミュニケーションが必要なんだと思うので、自分の感じていることを勇気を持って素直に話すのも、ときには大事なことなのかなと思ったので書いてみました。
また日々の生活で気づきや有効な工夫に気づいたら書いてみます!
ここまで読んでいただきありがとうございました。またね!
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